高気圧酸素治療は大気圧より高い気圧環境の中で酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。高い気圧環境の中で酸素を吸入すると、通常の大気分圧下での呼吸により得られる結合型酸素(赤血球内のヘモグロビンと結合した酸素)に対して、溶解型酸素(肺胞酸素分圧に比例して酸素が血液中に溶解する)を10〜15倍にまで体内に取り込むことができ、体内に取り込まれた大量の溶解型酸素は手足の先端にまでいきわたり、低酸素状態の改善を図ることができます。 高気圧酸素治療は、様々な疾患に適応されており、治療効果については個人差はありますが治療を継続することにより、その効果は維持されます。 治療では100%酸素を使用し、治療装置内を2気圧(水深10m)にまで加圧し、2気圧下で60分間の時間を要します。治療の回数は適応疾患や患者様の症状によって担当医が判断を致します。
主な治療効果
体内酸素量の増加により、生体内の循環障害、低酸素状態の改善を図ります。
生体内にできたガスを圧縮、再溶解することにより末梢循環の改善を図り、組織の浮腫が軽減される効果があります。
毛細血管新生や組織修復などに働きかけ、創傷治癒に対して効果を発揮します。
一酸化炭素中毒を代表とした体内に蓄積された有毒ガスの洗い出しに対して促進的に働きます。
酸素の抗菌作用(白血球による滅菌作用)を増強し細菌の発育を阻害する効果があります。